克博さん) SPIRA FARMのチームとしては、僕が「作る人」、妻が「伝える、届ける人」という役割にきれいに分担してやってますね。妻は僕と違ってコミュニケーション能力が高いので、自分は畑に出て野菜を作ることに集中させてもらってますね。出荷に関して、パートさんとの梱包作業とそのシフト等の管理、そして、出荷先の飲食店や個人宅配のお客さんとのオーダーなどのコミュニケーション。あ、あとSPIRA FARMのサイトやSNSの更新などは、すべて妻に任せています、そこはもう本当に助かっています。ここ僕の地元なのに、もう妻の方が知り合い多いですもん。(笑)
そういえば「SPIRA FARM」という名前ってどういう意味があるんですか?
沙織さん) SPIRAはギリシャ語なんですが、英語でSPIRAL。「螺旋」って意味です。農業は季節とともにあって春夏秋冬、そしてまた春夏秋冬、と繰り返していく“円”というか循環なんですけど、その“円”がちょっとだけでも高くなると、それは“螺旋”となって立体を描く。それは、人との出会いだったり、自己の研鑽だったりで、その螺旋が少しづつ積み重なって、どんどん高くなっていけたらいいなって。そんな願いというか理想を込めています。
農家をやっていて、どんな時が楽しいと感じるか教えていただけますか?
-単純に“美味しかった”という一言が一番嬉しい
沙織さん) 私たちのこだわりとしては、色々なお野菜を新鮮にお届けできるというところを意識しています。やっぱり野菜のおいしさは鮮度で左右する部分が大きいので、松江市や出雲市など鮮度よくお届けできる距離の方がメインのお取引様です。飲食店の方々には今日採ったものを当日のディナーに出せるように配達しています。個人の方々とはインスタグラムを介して知り合う方が多く、ダイレクトメッセージで、「あの野菜をこんな料理にして食べたよ」とか、「子どもがお代わりしてくれた」とか、単純かもしれませんが農家としてはその“美味しかった”が一番嬉しいです。手書きのレターを入れて出荷をすると、お客さんもリアクションをくださったり、次に野菜セットを頼んでくれた時に、「この方は前回トマト美味しかったって言ってくれたから今回もトマト入れよう」とか、そういった感じでカスタマイズしたりして、お客さん一人一人オーダーメイドの野菜セットのような形でキャッチボールできる事が本当に楽しいです。消費者と生産者って関係性というよりは、お互いに敬意をもった関係値を構築できていると思います、お互いにいつもありがとう!みたいな、そんな普通で、当たり前な感じのものですが。