水稲10年生

2026.07.15

こんにちは、NONOTABIです。

7月15日。田植えから約1か月が経ちました。

私たちの田んぼでは、肥料も農薬も使わない、いわゆる「自然栽培」でお米を育てています。

今年は3品種、合計160a(16,000㎡)。

肥料も農薬も使わない栽培には、「自然農」「自然農法」「自然栽培」など、細かく分けるといろいろな呼び方があります。
僕たちは正直あまり名前にはこだわっていませんが、一応分類すると「自然栽培」にあたります。

お米づくりの世界は、本当に人それぞれ。100人いたら100通りの考え方があるくらい、みんな良くも悪くも強いこだわりを持っています。
そんな中で、僕たちが一番大切にしているのは「育つ環境」です。

田んぼは周りを山に囲まれ、僕たち以外に田んぼを作っている人はいません。水は山から湧き出る湧水だけ。

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湧水が豊富な場所だからこそ田んぼは一年中湿っていて、機械も入りにくく、多くの人が作るのをやめてしまった場所です。

そんな田んぼにはジャンボタニシがたくさんいます。普通なら厄介者ですが、僕たちは敵にしません。田植えをしてから約2週間はあえて水を入れず、毎日田んぼを見回りながら、雑草と稲の成長を観察します。
早く水を入れれば、まだ小さい稲がタニシに食べられてしまう。遅すぎれば、今度は雑草が伸びて草取りに追われる。毎年そのギリギリを狙うのは、本当にドキドキです。


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黒いのがジャンボタニシ達

うまくタイミングが合えば、タニシは稲ではなく柔らかい雑草を食べてくれます。そうなれば、タニシとも共生できて一石二鳥。
ようやく一安心です。

肥料も使わないので、稲の成長はゆっくり。収量も一般的なお米の半分ほどしか採れません。
それでも、「子どもがこのお米だけは食べてくれるんです」と言っていただけることがあります。
そんな言葉をいただくたびに、「うちのお米はおいしいんだ」と自信をもらっています。


きっと昔の人が食べていたお米も、こんな味だったんじゃないかなと思います。
もちろん今の品種や育て方とは違うでしょうし、昔とまったく同じというわけではありませんが
肥料や農薬、除草剤に頼らない、自然の力で育てたお米には、どこか昔につながる味わいがあるのかもしれません。

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水以外で田んぼにもたらされる栄養といえば、夏の雷の恵みくらいだったのでしょう。

雷が落ちると、空気中の窒素が植物に利用できる形へ変わり、雨とともに地面へ降り注ぎます。
昔から「雷が多い年は豊作になる」と言われてきましたが、その仕組みは今では科学的にも知られています。

そして「稲妻」という言葉。先人たちは、雷が稲を育てることを経験的に知っていたからこそ、そんな名前を付けたのかもしれません。


農業をしていると、自然をよく観察し、その恵みを受けながら暮らしてきた先人たちの知恵に、改めて感心させられます。

そんな自然の営みを学びながら、今年も一粒一粒のお米を大切に育てていきます。

NONOTABI
農家
鹿児島県南九州市川辺町高田で、野菜とお米を栽培する有機農家です。家族との暮らし、高田の人たちと毎日を丁寧に過ごしています。

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